杉山武史三菱電機社長Photo by Hideyuki Watanabe

1年で最も売れる「週刊ダイヤモンド」年末年始の恒例企画をオンラインで同時展開するスペシャル特集「総予測2020」。ダイヤモンド編集部が総力を挙げて、多くの識者や経営者に取材を敢行。「2020年の羅針盤」となる特集をお届けする。今回は、三菱電機の杉山武史執行役社長に2020年の電機業界、特に産業向け電機・機械市場について、見通してもらいました。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)

中国原則が自動車・FAを直撃
二番底はないが回復は「春以降」

──中国の景気減速などで、2020年3月期の通期業績予想を下方修正し、純利益予想を300億円引き下げるなど厳しい1年になりました。

 中国経済の減速は、三菱電機の業績に大きな影響があります。中国をはじめとした新興国の設備投資が後ろ倒しされており、主にFA(ファクトリーオートメーション)や自動車の機器を扱う「産業メカトロニクス(産メカ)」セグメントに影響が出ています。

──稼ぎ頭だった産メカが19年4~9月期に前年同期比で300億円超の営業減益でした。いつFA機器や自動車の市場が底打ちしますか。

 米中貿易摩擦の行方は見通せず、いまがFA機器の底とは言い切れません。回復は春以降になるのだと思いますが、それが春先なのか、夏以降なのかは分かりません。

 とはいえ、日米の消費は悪くない。米中関係がいまより悪化することは考えにくく、「二番底」があるとはみていません。