【2019年CMランキング】最も効率よく消費者の印象に残ったCMは?Photo:PIXTA

 2019年を振り返ると、改元や増税といった日本にとって大きな節目となる出来事が相次いだ。昭和から平成への改元では自粛のムードが見られたが、今回は譲位による新天皇即位ということで新しい時代の幕開けを祝う空気に包まれた。

 一方、地震や豪雨などの大きな自然災害が各地を襲い、今なお不便な暮らしを強いられている人も少なくない。

 スポーツ界では吉田沙保里やイチローといったレジェンドが現役を去った一方、渋野日向子や八村塁のような新星が登場した。ラグビーワールドカップでの日本代表の活躍も記憶に新しい。そして年が明ければいよいよオリンピックイヤーを迎える。

 テレビCMは“時代を映す鏡”といわれ、そのときの空気や世相が色濃く表れる。19年のヒットCMを振り返ってみるとKDDI『au』の「三太郎」シリーズに代表される携帯キャリアのCMが上位を席巻したほか、人気アニメ『ONE PIECE』とコラボレーションした『Indeed』や『カップヌードル』、「アゲリシャス」のフレーズでブームを巻き起こした『ゼスプリ キウイ』、一気に広がりを見せたキャッシュレス決済サービスでは『PayPay』や『Airペイ』といったブランドが存在感を示した。4月には花王が社運を賭けて開発した『アタックZERO』のCMキャラクターに松坂桃李、菅田将暉ら旬の俳優5人が起用され、ロングセラーの『アタック』ブランドが新しく生まれ変わったことを印象づけた。

 5月1日の改元が近づくと平成を振り返り、令和の幕開けを祝うCMも放送された。特に明治『R-1』は、新元号決定時よりSNSで話題になっていた「令和元年=R-1」というアイデアをもとに、平成最後と令和最初のCM枠で“元号またぎ”のCMを放送して注目を集めた。夏には新海誠監督の最新アニメ映画『天気の子』が公開され、12月8日の時点で興行収入は140億円を突破。地上波で放送された同監督の前作『君の名は。』の枠内でオンエアされたスペシャルコラボCMも話題となった。ラグビーワールドカップの開催期間には『リポビタンD』を筆頭にラグビーをテーマにしたCMが相次いでオンエアされ、大きな反響を呼んだ。