ただ、今回の研究結果は、これらの因果関係を証明するものではない。Zhang氏によれば、睡眠時間の長さや睡眠の質が脳卒中リスクにどのような影響を与えるのかは、現時点では明らかになっていないという。しかし、「睡眠の取り過ぎや質の悪い睡眠は、高コレステロールや肥満と関連することは既に報告されている。これらはいずれも心疾患と脳卒中のリスク因子である」と同氏は説明している。

 また、今回の研究にはいくつかの限界もある。例えば、睡眠習慣は参加者の自己申告によるものであることや、参加者の平均年齢が約62歳と高く、この結果が当てはまるのは高齢者に限定される可能性が挙げられるという。

 今回の研究には関与していない、米レノックス・ヒル病院で脳卒中を専門とするSalman Azhar氏は、「睡眠時間を増やすこともよりも、睡眠の質を改善することのほうがより重要だ」と述べ、まず、見逃されて十分に治療されていない睡眠時無呼吸に注意する必要があると強調。「今回の研究結果は、不眠症と睡眠時無呼吸が脳卒中リスクを高めるとしたこれまでの研究報告を裏付けるものだ」と説明している。

 また、Azhar氏は、夜間の寝過ぎや昼寝のし過ぎと脳卒中リスク増加との間には、明らかに何らかの関係があるとし、「寝過ぎると日中の活動量が低下し、活動量が低下すると肥満や血糖コントロールの悪化、血圧の上昇につながる」と指摘。「睡眠の取り過ぎと寝不足はどちらも活動量の低下を招き、結果として脳卒中リスクが高まると考えられる」と述べている。(HealthDay News 2019年12月11日)

https://consumer.healthday.com/cardiovascular-health-information-20/heart-stroke-related-stroke-353/sleeping-too-long-might-raise-stroke-risk-752943.html

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