シンプルなデザインと高い機能性で、シリコンバレーの著名人らにヒット

 創業者の1人であるブラウン氏は、ニュージーランド代表としてワールドカップに出場したこともある元プロサッカー選手だ。同社の日本法人であるAllbirds合同会社でマーケティングディレクターを務める蓑輪光治氏は、「プロ選手として大手シューズメーカーの手法を実際に体験したことが、彼の原動力になっている」とAllbirds誕生のきっかけを説明する。

「Nikeなどの大手シューズメーカーは、大きなスポーツの大会をショーケースとして活用しています。出場選手にはそれぞれの体型やプレーに最適化したシューズを提供する一方で、その年の流行のカラーやロゴをメディアに露出することで、消費者の購買意欲を喚起しているんです」(蓑輪氏)

 デザインを学んだ経験もあるブラウン氏は、引退後にスニーカー作りに身を投じた。派手なロゴを排したシンプルなデザインで、普段使いに最適な履き心地を備えたシンプルなスニーカーだ。その過程で、故郷であるニュージーランドのメリノウールに目をつけたのだという。

 ウールを活用した試作品には、クラウドファンディングで発表した4日間で10万ドルの支援が集まった。その後、ズウィリンガー氏と出会ってAllbirdsを設立。さまざまな投資家から支援を受け、2018年10月のシリーズCでは5000万ドルの資金調達を発表した。

 製品の発売後には、Google共同創業者のラリー・ペイジなどシリコンバレーのトレンド感度の高い層に評価され、一気にブレイクした。高い機能性とスタイリッシュなデザインは、ビジネスシーンでも使える高機能な靴として、ラフなスタイルを好むスタートアップ界隈に好まれている。