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追加金融緩和に近づくFRB〜FOMC後のシナリオ〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

8月2日 18時0分
マネックス証券
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・昨晩(8月1日)結果が公表されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、一部で期待が高まっていた追加金融緩和は実現しなかった。これをうけて、米国株市場は反落し、債券市場でも金利は上昇した(グラフ参照)。政策変更はなかったが、(1)米国景気が幾分減速している、と景気認識を修正したうえで、(2)必要に応じて追加金融緩和を行う(前回:さらなる対応を準備している)、とFOMC声明文の文言が修正された。


・(2)の文言変更で、「追加金融緩和を行う(will provide additional accommodation)」と今回はっきり明示され、これは金融緩和(QE3)の可能性が高まったことを示している。前回まではFOMC内で追加金融緩和の妥当性について意見が分かれていたが、追加緩和が必要との見方が多数になったと推察される。緩和策の弊害を懸念するタカ派メンバーが、見方を変えつつあるということだ。

・もちろん、来月FOMC(9月12〜13日)の追加金融緩和策が決まったわけではない。4-6月同様のGDP成長率の停滞、10万人/月以下の低調な雇用増という状況が、7月以降も変わらなければ金融緩和を行う必要があるということである。米国経済の現状から判断して、追加緩和によるサポートが必要である可能性が高まったということだ。

・昨日発表された7月分のISM製造業景気指数は前月からほぼ変わらず、2ヶ月連続で50の水準を下回り、2009年の回復初期局面以来の水準に停滞したままである(グラフ参照)。輸出低迷を背景に、「輸出受注」についての判断は更に低下したが、それが製造業全体の景況感停滞をもたらしている(グラフ参照)。輸出企業を中心に、米国企業の業績に対する下押し圧力は依然和らいでない。


・また、春先からの業績改善の滞りをうけて、製造業の雇用状況は一段と厳しくなっている。実際に、今回のISMのサーベイでの、雇用に対する企業の判断は7月に更に低下した。これを素直に解釈すれば、FRBの景気認識どおりに、追加金融緩和が必要になる可能性が高まったことになる。もちろんFRBが最も重視するのは、経済全体の雇用者、失業率などの定量データだが、次回FOMC前に判明する、2ヶ月分(7、8月)の雇用統計について改善は期待しづらい。

・次回9月FOMCまでの間、景気の減速懸念が払拭されず、そして金融緩和期待が交錯するだろう。米国の株式市場は乱高下が続く中で、はっきりとした方向感は出ないと予想される。


(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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