「SWOT」は分析でも武器でもない

 SWOT(アメリカ英語ではスワットで、イギリス英語ではスウォットと発音。まあどっちでもよし)という、とてもよく使われるフレームワークがあります。事業に関わるさまざまな事柄を、整理するのにとてもいいフレームワークです。

 内部要因でポジティブなものをStrength(強み)、ネガティブなものをWeakness(弱み)と呼び、外部要因でポジティブなものをOpportunity(機会)、ネガティブなものをThreat(脅威)と名付けました。頭文字をとってSWOT (*1)で、よく2×2のマトリクスで表現されます。

オリジナリティにこだわる(中編)<br />~SWOT分析!?

 

 でも間違ってはいけません。SWOTはただ整理するだけのツールです。SWOT「分析」をしたからといって、なんの結論も出ませんし、論理思考プロセス上、なにかが拡がるわけでも絞れるわけでもありません。つまりSWOTとは「分析」ではなく、ただの整理図なのです。それ以上でもそれ以下でもありません。

 アメリカ英語では発音の同じSWAT(スワット:Special Weapons And Tactics、米警察の特殊部隊)と違って、これ自体では「武器」じゃないのです。なのに、そう使われるようになったのは、なぜなのでしょう。

*1 本来は全部複数形。また横軸は「目的達成にHelpfulかHarmfulか」と表現されている。