金融市場による危機分散進まず、「平均化」する地方債
1月17日、大規模な自然災害が多発しているにもかかわらず、日本では金融市場を通じたリスク分散が進んでいない。写真は都内で2013年2月撮影(2020年 ロイター/Shohei Miyano)

[東京 17日 ロイター] - 大規模な自然災害が多発しているにもかかわらず、日本では金融市場を通じたリスク分散が進んでいない。国の手厚いバックアップで、地方債におけるリスクの違いは平均化。国に集中するリスクはいざというときに危機対応力を低下させるおそれがある。CAT債(大災害債)など再保険の手段も「誤解」が普及のブレーキになっている。

違いみられぬ地方債

 ここ数年、日本では大規模な自然災害が多発している。もっとも、災害が多い地域では、地方債と国債のスプレッド(利回り差)が広がっているかというと、そうではない。

 1995年の阪神淡路大震災時は、神戸市や兵庫県が発行する地方債にリスクプレミアムが乗った。しかし、2011年の東日本大震災後には、宮城県や福島県が起債しても、発行水準への影響はみられなくなり、現在も同じような状況だ。

 その違いは、各自治体の財政健全化努力もあるが、政府のバックアップが手厚くなったことも大きな要因だとみられている。阪神大震災当時は、神戸も兵庫も多額の借金を抱えざるを得なかったが、いまは夕張市(北海道)の財政破綻が教訓となり、「自治体財政健全化法」という強力な法律ができており、地方自治体の財政破綻を未然に防ぐ体制となっている。

 米国では、何かあった場合は、各州が責任を持つ。ニューオーリンズのハリケーンのような大規模災害の時は国からの援助が入ったが、日本とは違い、連邦政府がすぐに支援することは前提となっていない。このため米国では、大規模な山火事などの災害があった場合、地方債にリスクプレミアムが乗る。