ゴマすり社員上司や取引先などに対し、あまりにもわざとらしいお世辞で持ち上げる人たち。彼らはなぜ平気でそんなことができるのだろうか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

上司や取引先に対して、あまりにもわざとらしい持ち上げ方をする同僚に、辟易することもあるのではないか。だが、不思議なことに、そんな露骨な取り入りに乗せられて上司や取引先は上機嫌になったりする。そこにはどんな心理メカニズムが働いているのだろうか。(心理学博士 MP人間科学研究所代表 榎本博明)

歯の浮くようなお世辞で
上司にこびる同僚

 30代男性のAさんは、上司に対していかにもわざとらしい取り入りをする同僚のBさんにあきれることが多い。

 たとえば、会議で上司が意見を言うと、間髪を入れず、「まさに、おっしゃるとおりです。私は、課長の意見に全面的に賛成です」などと発言する。

 それがごくまれなことならば真実味もあろうが、会議のたびなのだから、あまりに不自然だ。

 他にも、課長が何かを提案すれば、「それは素晴らしい案だと思います」などと即座に賛成意見を述べる。

 さらには会議が終了すると、廊下を歩いている課長を追いかけて、「さすが課長、アイデアの泉ですね。いつもほんとうに勉強になります」「私も課長みたいになるのを目標に頑張ります」などと歯の浮くようなお世辞を平気で口にする。