カルロス・ゴーンPhoto:Handout/gettyimages

 世界中を驚かせた日産前会長、カルロス・ゴーン被告=会社法違反(特別背任)などの罪で起訴=のレバノン逃亡には、米軍特殊部隊の元隊員やプロの「運び屋」らが関わったとされる。

 検察は、ゴーン氏の身柄確保にやっきだが、国家主権などの壁があり、すぐ連れ戻すのは難しそうだ。

 一方、逃亡劇は、日本の刑事司法と水際危機管理の構造的な欠陥を露呈した。

空疎な内容の会見だったが
「世論という法廷では無罪」?

「非人道的な扱いを受け、私自身と家族を守るためには、(逃亡する以外の)選択肢がなかった」

 1月8日午後10時(日本時間)に始まったレバノン・ベイルートでの記者会見。黒っぽいスーツに赤いネクタイのゴーン氏は、身ぶり手ぶりを交え、雄弁に語った。しかし、1時間余りの独演会の中身は拍子抜けするほど、空疎だった。