――国内大手家電メーカーは利益率の高いハイエンドを主に攻めています。

 だからこそわれわれに勝機があると思っています。リアル店舗からEC(電子商取引)へ市場がシフトしていくと、安ければ安いほど客は反応します。残酷にその傾向は出ます。ですので、われわれのような企業が有利になっていくのではないでしょうか。

――ところで創業家の大山一族は家電が好きなのでしょうか?

(笑)。生活の不便を解決するというフィロソフィーがまずあって、その手段として家電がありました。われわれが得意としていた業態がホームセンター。ホームセンターで売れている商品群で「生活の不便」を解決していくなかで、必然的に家電にたどり着いたというわけです。

――ベンチマークする企業はありますか?

 ないですね。われわれは独自の立ち位置を保ちたいなと思っています。

 家電量販店が大きくなりすぎて、家電メーカーが言いなりになってしまいました。量販店は毎年新しいものを欲し、売り上げが下がらないようにしようとします。お客さんがいくら安いものを求めていても、できれば毎年上げようとする。家電メーカーがそこに乗っかると、製品はつまらないものになってしまいます。家電メーカーはそこと一線を画さないと。対決するぐらいでないと、いいものづくりはできないと思います。