教育費教育費にお金をかけすぎると、老後資金が危うい状態になりかねません(写真はイメージです) Photo:PIXTA

 さまざまな方の家計相談にのっていると、教育熱心なご家庭がとても多いことを実感します。子どもがゆとりを持つ時間がないほど塾に通わせていたり、家計収入のうちかなりの割合を占めるほど授業料の高い学校に子どもを通わせていたり。そうすることで、「子どもは立派な大人になるだろう」「収入の良い仕事に就けるようになるだろう」と考えているのでしょう。

 それは一理ありますが、自分たちの現在や老後の生活に必要なお金のことを考えず、子どもにお金をかけ過ぎてしまうと、後で取り返しのつかない事態に陥る可能性があります。

息子を遠方の進学校に通わせたい!
生活ギリギリなのに、二拠点生活へ

「子どもの進学と暮らしに関わるお金の相談がしたい」と、会社員のKさん(47)がパートで働く妻(45)と相談に来ました。家族はKさん夫婦のほか、大学2年生の長女、中学3年生の長男がおり、都内で暮らしています。

 妻は長男に対して教育熱心で、少しでもレベルが高く、一流大学への進学率が高い高校へ行かせたいと、自分のパート代を全て長男の塾代につぎ込み、一緒になって高校選びをしています。

 そんな中、ある県に評判の良い私立高校があることがわかりました。その高校出身だという職場の上司からも「進学率も良いが、のびのびと過ごせて良い学校だ」と聞き、ぜひ長男にもその高校に入学してほしいと思うようになりました。