マスクをして歩く女性
中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスが原因とみられる新型肺炎の感染拡大懸念が、世界中の金融市場を揺るがしている。写真はマスクをして歩く女性。北京で21日撮影(2020年 ロイター/Jason Lee)

[21日 ロイター] - 中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスが原因とみられる新型肺炎の感染拡大懸念が、世界中の金融市場を揺るがしている。投資家らは、2003年に発生したSARS(重症急性呼吸器症候群)との比較から経済への影響を読み取ろうとしている。

 1) 世界の経済・金融市場への影響

 経済学者のビクトリア・ファン氏、ディーン・ジェームソン氏、ローレンス・サマーズ氏の2017年の論文によると、パンデミック(大流行)リスクから予想される年間損失額は世界の所得の0.6%に相当する年間約5000億ドル。

 米国医学アカデミーのグローバルヘルス・リスクフレームワーク委員会による2016年の研究では、21世紀にパンデミックにかかるコストは6兆ドル以上(年間600億ドル)との試算が示されている。

 ただし、一つの要因が世界市場に及ぼす影響を厳密に特定することは容易ではない。例えば、SARSの流行時には米国がイラクに侵攻するなど、複数の要因が同時期に発生しているためだ。

 一方、株価の反応は限定的だったことが示されている。2003年に中国当局がSARS発生を世界保健機関(WHO)に報告した際、MSCI中国指数は逆行安となったが、6カ月後には値を回復した。