トヨタ・RAV4

「予算はなるべく抑えつつ、しかも人気のSUVの中からクルマ選びをしたい」―― そんなことを考える人は多いはずだ。しかし、人気故に車種の選択肢は広く、さらにそこからグレードも選ばないといけない昨今、それは決して簡単な話ではない。ではプロならどんなクルマを奨めるのか。それを毎回提案していきたい。第一回目はトヨタのRAV4である。

復活したと表現してもいい、最新モデルの完成度

「最近、新車ってずいぶんと高くなったよな」とか、「昔はもっと安く買えたのに」と、かつてのクルマ好きから嘆きばかりが聞こえてくることが多くなった。確かに車両本体価格が大きく上昇したことは事実だ。しかし、それはむやみやたらと値上げされたのではなく、それ相応の装備を備えたためである。それがコスト上昇分になったと考えれば納得できるところもある。

 たとえば、プリクラッシュセーフティブレーキに代表される先進安全装備、ネットに接続して情報を手に入れるコネクティビティなど、それらは、クルマを憧れと捉えていた時代にはなかった装備である。

 だから今の時代に求められるのは、先ほどのイマドキ装備を揃えながらも、いかにリーズナブルであるかだと思う。

 ということで、あえて300万円以下で買えることを条件として、さらに人気のSUVに限定して、さまざまなモデルを紹介していこうと思う。「グレード次第では安いよね?」とか「実は2WDでいいんじゃない?」なんていう、色々な観点を含めながら、そのモデルの「買い」、そしてどんなユーザーにオススメしたいのかを、お伝えしていこう。

 さて、その第1弾としてピックアップしたのはトヨタのRAV4。94年にデビューした初代モデルはコンパクトかつライトを謳って大ヒットとなったが、その後アクティブさは薄れていき、またボディサイズも日本ではコンパクトとは呼べないサイズへと拡大し、とうとう4世代目は日本未導入となってしまった。