東大は70位、京大は50位…“就職偏差値”トップの意外な大学とは?Photo:PIXTA

 大学の価値は入試の難易度(偏差値)という「入り口」のハードルの高さだけでは測れない。社会で活躍する人材を育てる役割が大学にあるとするならば、卒業生の就職という「出口」も重要。出口の実績で全国の大学を比較してみると、意外な結果が見えてくる。

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 今回、編集部では、大学通信のデータをもとに、「就職偏差値ランキング」をまとめた。データは、回答のあった541大学を対象に、各大学で「有名企業」「国家公務員」「地方公務員」への就職率を算出し、偏差値に換算。それをランキングした。

 有名企業は就職先として学生の人気が高く、身分や給料の安定した国家公務員、地方公務員になることは今や“勝ち組”とも言われる。このランキングからは、入試偏差値ではわからない、大学の出口の実力が見えてくる。

【就職偏差値ランキング1位~50位】(週刊朝日2020年1月31日号より)【就職偏差値ランキング1位~50位】(週刊朝日2020年1月31日号より、データは大学通信調べ) 拡大画像表示

 ランキング上位には、入試偏差値ではトップの東京大学や京都大学、首都圏の有名私大などではなく、地方の大学が名を連ねる。就職偏差値ランキングでは、東大は70位、京大は50位だ。大学通信の安田賢治常務は「教育系や理工系、商科系、国際系など得意分野を持つ大学の就職の強さがうかがえる。地方の大学の奮闘も見える」と指摘する。

 トップ3を占めたのは、国立の教員養成の地方大学。上越教育大と兵庫教育大、鳴門教育大は、地方公務員への就職が8割を超え、多くが公立学校の教員になっている。就職では地元ならではの強みがあるのだ。