「受注型」より、「伴走型」のビジネスモデルで事業を成長

 アーティストとのコラボレーションを中心にしながらも、予想もしていなかった業界や企業からのオファーも多いというが、あらゆる案件を受けるのではなく「こんなステージを作りたい」という強い想いがある人と話し合いながら新しいものを作れる仕事に全力投球するのが、藤本氏のポリシーだ。

「自分自身、ダンスの経験があることから『こんな演出をしたい』という強い想いだけで作品づくりをしているので、バズワードだけが並んでいるようなものは作らないようにしています。アーティストや演出家の方は、ステージづくりのために日々新しいものを探し続けているので、YouTubeなどで見つけた本人たちから『ぜひ使いたい』と直接連絡をもらうことが多いです」

Photo by H.M.
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 そんな思いで事業を展開する藤本氏。事業や会社の成長以上に大事なものがあるという。

「僕たちの目標は、あくまでもダンスの世界を開いていくことで、会社の規模を大きくしたり、上場したりというところがゴールではありません。もし、社員300人の組織になってしまったら、社内にその意識が浸透できなくなるしクリエイティブに関わらない人も増えてしまいます。誰かに何かを言われて作るのではなく、自分や社員が作りたいダンスのステージに必要なものだけを作るという目標を貫くために、想いを同じくしたチームで動いています」

 こんな背景から、社外からの資金調達も行っていない。大きな資金が必要な案件についても、国の助成金などを活用して開発している。投資家目線での成長よりも、自分たちが興味を持ったプロダクトを、スピード感を持って開発することを心がけているという。事業は1期目から黒字を継続している。