2月3日の株価ボード春節明けの2月3日、中国・上海の株式市場は急落して始まり、日経平均株価も下落した Photo:JIJI

新型肺炎の感染が拡大を続けており、世界経済の減速リスクが懸念されている。日本経済に対する影響も小さくないはずだ。しかし、ビジネス的反射神経としては、新型肺炎の悪影響についてだけ考えるのではなく、「この影響で投資の条件が良くなる可能性はないか」と考えることも大切だ。(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)

新型肺炎の総合的な悪影響は
「感染力×致死率」で評価すべき

 中国湖北省の武漢市で発生した、コロナウイルスによるものとされる新型肺炎の感染が拡大を続けている。中国では武漢市を実質的に封鎖し、国内の人の移動を制限するとともに、海外への団体旅行の休止、春節休暇を延ばす形での工場の操業停止の延長などの対策を講じ、経済活動が停滞し始めた。

 中国国内の各種需要が停滞することに加えて、部品の製造休止などで世界経済に対して供給面の制約になる事態も懸念されている。