こうした債務まみれの非金融部門を背景に起きたのが、今回のレポ金利の急騰だ。

 ドル短期資金の主要金利である翌日物レポ金利は9月17日に10%まで上昇し、2008年の金融危機以来の水準に達した。同金利は9月上旬までは安定的に推移していたが、16日から急騰し始めた。

 市場参加者は「最も潤沢な流動性」があるはずのレポ市場で「流動性不足」から金利が急上昇したことに加え、金利が上がり始めた16日にFRBが全く動かず、17日以降も短期金利の制御に四苦八苦したことに不信感を募らせた。

 最終的に、FRBは大規模のレポオペで流動性を供給し、10月からは毎月約600億ドルの短期国債買い入れも始めた。

 市場では、FRBが市場と対話する能力が低下したことが、潜在的なリスクをため込んでいるとの指摘もある。

 最近では、短期国債の大量買入れが量的緩和(QE)に相当しないと主張するFRBと、事実上のQEだとみる市場との認識のギャップも話題に上る。

 昨年の短期金利急騰の背景要因をFRBが正確に把握しているかどうか疑問が残るとの指摘もある。「参加者がFedを信頼していないので、情報がスムーズに流れないと思われる」(シンクタンク研究員)という。

 FRBは市場との対話方法を見直す一環として「Fed Listens」と銘打った広報イベント(公開討論)を2018年11月に立ち上げ、全米各地で開催している。ただ、市場参加者からは「形式だけで意味がない」(アッセットマネジメント)との意見も出ている。

(森 佳子/編集:石田仁志)

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