【数字から保険を読む】
#2 火災保険の
参考純率【4.9%】上昇

ここ数年、毎年のように大規模な自然災害が日本を襲い、損害保険各社の火災保険の支払額は急増している。それに伴い、火災保険の保険料の基礎となる参考純率も2年連続で引き上げられており、保険料が家計を直撃することになる。

火災保険の料率を決める基礎となる
参考純率を2年連続で引き上げ

 住宅を購入した際、多くの人は火災保険に加入する。賃貸物件ならば、入居時に家財を補償するための火災保険への加入を求められる。これら火災保険の保険料は、保険金の支払いに充当される純保険料と、保険会社の必要経費などに充当される付加保険料の大きく二つに分けられる。

 付加保険料については保険会社が独自に算出するが、純保険料は、損害保険料率算出機構(以下、損保料率機構)が「損害保険料率算出団体に関する法律」に基づいて算出する“参考純率”を基礎にして、同機構の会員の損害保険各社が算出することになっている。

 その損保料率機構が2019年10月、「住宅総合保険の参考純率を平均で4.9%引き上げる」と発表した。平均して5.5%引き上げられた前年に続いて2年連続の引き上げとなり、参考純率は合わせて約10%も引き上げられることとなった。

 加入が義務付けられている自動車損害賠償責任保険(いわゆる自賠責)とは異なり、自動車保険や火災保険の加入は任意であるが、1回の事故の損害額が数千万円に及ぶ可能性もあるために加入しないという選択肢を取ることは難しく、税金感覚で加入している契約者が多い。

 つまり、消費税が10%に引き上げられたのと同じ月に、火災保険の参考純率の引き上げも決まったことで、一般消費者の家計はダブルパンチを受けることになったわけだ。

 では、火災保険の参考純率が引き上げられた背景や、今後の影響について説明していこう。