民間エコノミストからも「現段階での最大のリスクは、日本での感染の広がりを理由に、国際オリンピック委員会が東京大会の開催を延期、ないしは開催地をロンドンなど他の都市に急きょ変更することだ。これらの場合、日本経済への悪影響は計り知れないものとなる」(BNPパリバ証券・チーフエコノミスト・河野龍太郎氏)と指摘している。

 五輪開催期間中のインバウンド需要にとどまらず、入場券の販売や関連施設への投資回収、消費者マインド低下まで、あらゆる分野で予定していた需要が蒸発することになる。

短期収束がメインシナリオ

 もっとも民間エコノミストの間では、今のところ短期収束を前提に今後の経済シナリオを描いている向きが多い。

 外生的ショックである新型肺炎の影響は、ある程度の期間で収束することが分かっており、経済下押し圧力も一時的なものだ。2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)発生の際も、3月から5月にかけて感染者数が急増したが、間もなくピークアウトし7月には封じ込め宣言が出された。

 日本においても、影響は1─3月に最も大きく表れ、春からは回復に向かうとの前提で景気見通しを立てている調査機関がほとんどだ。

 10─12月期はマイナス成長に陥るものの、ロイター調査による予測中央値では1─3月期は年率プラス0.6%と、かろうじてプラス成長を確保。4─6月期には同1.4%成長まで回復するとの見通しだ。

 伊藤忠商事チーフエコノミストの武田淳氏は、1─3月は中国経済が1%台まで減速すると試算しているが、その後は中国当局のてこ入れで回復するとみている。さらに日本経済も「ちょうど政府が年末に組んだ大型経済対策の効果も下支えし、4─6月から持ち直すだろう」との見方だ。