1月にシンガポールの高級ホテルで開かれたセールス会議。ここからも新型コロナウイルスが広がり、3週間で韓国やスペインなど5カ国・地域で感染者が十数人に達した。写真は2月5日、シンガポールで撮影(2020年 ロイター/Tim Chong)

[シンガポール/ソウル/ロンドン 13日 ロイター] - 英ガス分析機器会社サーボメックスが今年1月、シンガポールの高級ホテル「グランドハイアット・シンガポール」の会議場で開いたセールス会議では、ペットボトルやパソコンなどが置かれたテーブルの間を、幸運をもたらすとされる獅子舞が練り歩き、英国からの出張者らが盛んに写真撮影をしていた。

 だが会議はとても吉兆と呼べるものではなかった。会場に座っていた者か、あるいは周辺にいた人物からまさに世界各地に新型コロナウイルスが拡散されようとしていたからだ。

 このルートを通じた新型コロナウイルスはそれから3週間で、韓国やスペインなど5カ国・地域に広がり、感染者は十数人に達した。世界の保健当局は、そんなありふれた会議に一体誰がウイルスを持ち込んだのか解明するのになおも躍起になっている。

 専門家によると、感染者第1号(ペーシェント・ゼロ)を発見し接触した全員を特定することが感染の抑制に乗り出す上で重要になる。しかし時間がたつにつれて、その作業は困難になる。

 世界保健機関(WHO)が取りまとめ役の組織「グローバル・アウトブレーク・アラート・アンド・レスポンス・ネットワーク」で座長を務めるデール・フィッシャー氏は「患者に(新型コロナウイルスによる肺炎との)診断を下す一方で、そのウイルスがどこから来たのか分からないのは、われわれにとって明らかに不安だ。感染抑制に向けた対応効果が薄れてしまう」と語った。