地元の学校の発表によると、学校は2人を隔離対象にした。同じ学校に子供が通っているナタリー・ブラウンさんは「1分前まで中国の話だったのが、次の瞬間に文字通り、自分たちの家の玄関前の階段のところまで来ている。感染拡大の速さは驚くほどで本当に怖い」と語る

時間切れ

 シンガポールに舞台を戻すと、当局は国内で新たに広がっていくウイルス感染を追跡し続けるのに四苦八苦だったが、この多くは最初の感染例とは無関係だった。

 グランドハイアット・シンガポールの経営陣は、ホテル内を徹底的に清掃するとともに、従業員と客に感染者がいないかどうか監視していると述べたが、1月の会議の出席者が「いつ、どこで、どのように」感染したかは分からないと頭を抱える。会議の光景をフェイスブックに投稿した獅子舞の踊り手たちは、自分たちはウイルスに感染していないと話している。

 シンガポール国立大学の感染症専門家ポール・タンブヤー氏は「会議に出席した者がペーシェント・ゼロだと誰もが決めつけるが、清掃担当者かもしれないし、ウェイターかもしれないのだ」と語り、ほかの感染経路の可能性を突き止めるためにも、ペーシェント・ゼロを見つけることがとても重要なのだと付け加えた。

 とはいえ時間はなくなりつつあるかもしれない。

 シンガポールのケネス・マク保健相は、政府として感染拡大が終息するまでペーシェント・ゼロを特定する努力を続けると宣言したが、時間が過ぎれば過ぎるほど実現は難しくなる。マク氏も「ペーシェント・ゼロが誰か、もう永遠に分からなくなるかもしれない」と本音をのぞかせた。

(John Geddie/Sangmi Cha/Kate Holton記者)

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