論理もデータもあてにならない時代、論理・戦略に基づくアプローチに限界を感じた人たちのあいだで、「知覚」「感性」「直感」などが見直されつつある。そんななか刊行され、各氏がこぞって大絶賛するのが、『「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考』という書籍だ。

現役の美術教師でもある著者が、中高生向けの「美術」の授業をベースに、「自分だけのものの見方」で世界を見つめ、「自分なりの答え」を生み出し、それによって「新たな問い」を生み出すという「アート思考」のプロセスをわかりやすく解説している。700人超の中高生たちを熱狂させ、大人たちもいま最優先で受けたい授業とは――?

「アーティストのように考える」とは、
どういうことなのか?

アート思考とは、言ってみれば、「アーティストのように考えること」にほかなりません。

ところで、「アーティスト」というのは、ふだんどんなことをやっているのでしょう?
あるいは、どんな考え方をしていれば、その人は「アーティスト」だと言えるのでしょう?

今回は、それについて考えてみたいと思います。

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さて、まずは質問です。
こちらの肖像画の人物、誰だかわかりますか?

「自分なりの答え」がつくれない人は、<br />《学ぶ》より《思い出す》を優先しよう

この人物について、みなさんに聞いてみたいことが2つあります。

①この人物は「アーティスト」ですか?
②なぜそう思いましたか?

ちょっと考えてみてください。