2月の香港への観光客の到着は1日平均3000人を割り込み、1月の同10万人から急減した。この1月の数字も既に、前年同期の半分以下だった。

極寒の冬

 香港レストラン・関連事業連盟によると、100を超えるレストランが閉鎖した。

 飲茶レストランのシェフで、飲食業労働者の労組委員長を務めるクォック・ワンヒンさんによると、政府抗議デモの期間に香港のレストラン事業は30-50%落ち込んだが、新型コロナウイルスの影響でこれが70-80%減に悪化したと言う。

「気がめいるよ。この業界の人々は、職を失うんじゃないかと絶えず心配している」

 香港観光業評議会によると、旅行代理店や関連産業の活動停止によって4万人超の雇用が脅かされている。

 評議会の執行ディレクター、アリス・チャン氏はロイターに対し「非常に心配している。ビジネスがない状態でいつまで持ちこたえられるか分からない」と語った。

 香港小売管理協会は、小売業の存続を脅かす「極寒の冬」が来たと指摘する。春節(旧正月)最初の10日間に小売業は前年同期比で平均30-50%減少し、宝石や時計、化粧品、衣料品などは最大80%も落ち込んだ。

 レストランチェーンの叙福楼集団(LHグループ)は今月13日から鍋料理チェーンの「しゃぶしゃぶ温野菜」と「モーモークラブ」の営業を一時的に停止した。宝飾品販売の周大福珠宝は香港とマカオで売り場40カ所を一時閉鎖し、その他の売り場も営業時間を短縮している。

 化粧品小売りのサ・サ・インターナショナル・ホールディングス(莎莎国際)は一部店舗を閉鎖。3月から5月にかけてコストを3分の1削減するため、香港の従業員を最大3%、給与を10-40%、それぞれ減らすとしている。

写真は10日、マスク姿で通勤する香港市民(2020年 ロイター/Tyrone Siu)

 チョン・クォックツィンさん(61)は、これまでペニンシュラ・グループ傘下のレストランなどで月に2週間働いて日給800香港ドル(約1万1000円)を稼ぎ、家賃その他の生活費をなんとか賄っていた。これらのレストランは、2月に入って2日しか営業していない。

「食費さえ賄えない。どうしようもない。時にはパン数枚で終わることもある」とクォックツィンさんは嘆いた。

(Sarah Wu記者、Donny Kwok記者)

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