選択肢ばかり増えた20代の迷い

 ゲキサポを提供しているスタートアップ企業・ポジウィル代表取締役の金井芽衣氏は、ゲキサポを“キャリアのライザップ”と呼んでいる。申し込んでくる若者の多くが「ダイエットしようとしても、何をしたらいいか分からないように、何が正しいかわからなくて不安な人」だと言うのだ。

「具体的な転職意向までは固まっておらず、『今の会社でいいのかな』とか『やりたいことが見つからない』とか、ぼんやりとした悩みを抱えている場合がほとんど。悩みの内容を一緒に整理して、常に相談する相手を欲しているんです」(金井氏)

ポジウィル代表取締役社長・金井芽衣氏 提供:ポジウィル

 起業のきっかけになったのは金井氏のTwitter。もともと別のサービスを運営していた金井氏が「無料で10分間、キャリアの診断をします」とツイートしたところ、すぐに100人の応募があったのだという。

 実際に話してみると、「引き続きお金支払ってでも相談を続けたい」という要望が続々と届き、まずはオンライン相談サービス「そうだんドットミー」を2017年8月にリリースした。そうだんドットミーはこれまでに1000人以上が利用している。ゲキサポとそうだんドットミーの2つの事業で、今期中に年間数億円の売り上げを見込み、拡大に向けて土台を固めているところだ。

 金井氏は現在29歳で、まさにターゲットと同じデジタルネイティブのゆとり世代だ。今の20代が漠然とした不安を抱える要因は「時代背景にあると感じる」と言う。

「終身雇用が崩壊し、転職や独立、パラレルワークが当たり前になりました。急に選択肢が増えたのはいいけれども正解が分からず、みんな途方に暮れているんです。しかもSNSによって周囲の人の行動や情報が見えすぎる。そのせいで、どんどん自己肯定感が下がってしまうんだと思います」(金井氏)

 SNSで同年代の活躍を見て「今まで何も積み重ねてこなかったかもしれない」「これから何か始めても遅いかもしれない」と焦り、自信を失う20代。果たして“相談”サービスは、自分の道に迷う若者を救い出せるのか。