「とにかく合格したい!」「成績を上げたい!」と目標を持って勉強に励んでいても、こんな悩みにぶつかるでしょう。「続かない!」。どんなにいいやり方を手に入れたとしても、続かなければ意味がありません。勉強とは「すべり台」です。勉強ができる人は階段をささっと駆け上がって、一気にすべるイメージを持っています。それが「学びの自動化」です。すべり台に「すべって楽しむおもしろさ」と「勝手に進むラクラク」があるように、勉強も始めたら止まらなくなるのです。
『偏差値95の勉強法 頭のいい人が知っている「学びを自動化する技術」』には、「没頭力(自らのめり込む)」「論理力(文脈で考えられる)」「記憶力(つながりで覚えられる)」が同時に手に入る勉強法を収録。さらに「没頭力」を発揮することで、「最短で結果が出る」「1日が27時間になる」「努力を努力と思わなくなる」のです。勉強にハマる要素は、たくさんあります。学びの楽しさを実感し、目標を達成できる勉強法を手に入れてください。

論理力をたちまち上げる「立場スイッチ法」Photo: Adobe Stock

立場を変えながら
頭で考えるクセをつける

 インターネットで調べれば何でも答えが出てくる時代のせいでしょうか、ものごとを深く考えない人が増えているように感じます。

 そのような人は、自分の頭で考えるクセがついていないため、グーグルなどの検索エンジンに引っかからないことが出てきたときに対処できません。

 考えることは、習慣です。

 普段から考えていないと、応用がききません。試験本番でも、丸暗記だけでは太刀打ちできないのです。

 そして、考えることで、「論理力」が身につきます。

 勉強においては、論理力があることが大前提なのですが、この力がない人が意外に多いのです。

 私の受講生の例で言うと、論理力のない子は、こちらの質問に答えられません。質問と違う内容の答えを返してくるのです。それは、聞かれたことを文脈で考えられず、何を聞かれているかを理解できないからです。

 数学の答え合わせをしていて、「1番」と答えた受講生に、「なんでそう思ったの?」と聞くと、「じゃあ3番」とか「4番」といった答えが返ってくることがあります。

「なんで?」という問いをされていることがわからず、間違いを指摘されたという思い込みから違う番号を言ってきているのです。

 そのような子たちに、論理力を鍛える方法として教えているのが、「立場スイッチ法」です。

 答えが2つあるテーマを設定して、意見を出し、次はその反論をする、というやりとりを繰り返す方法です。

 私が受講生に与えたテーマは、「夏休みの宿題は先にやるべきか、後にやるべきか」でした。受講生が「先にやったほうがいい」と言ったら、私はそれに対して「後にやったほうがいい」と反論し、受講生が私の意見にさらに反論します。

 今度は私が「先にやったほうがいい」と言い、受講生が反論する、というふうに立場を変え、きちんと理由づけをしながら続けていきます。

 簡単に言うと、「ディベート」です。

 最初は、私に反論されると「そうか」と納得していた受講生も、次第に考えて反論を重ねてくるようになり、立場を変えながら頭で考えるクセをつけた結果、自然に論理的に考えられるようになったのです。その受講生は、3ヵ月後に偏差値が40から60に上がりました。