ニューヨークの小売店
2月26日、新型コロナウイルスは米国内ではまだたいした広がりを見せていない。写真はニューヨークの小売店で2016年8月撮影(2020年 ロイター/Joe White)

[ニューヨーク 26日 ロイター] - 新型コロナウイルスは米国内ではまだたいした広がりを見せていない。だが新型ウイルスを巡る懸念だけで、米国株の時価総額は既に約2兆ドル減少、さらなるパニック売りも誘いかねない。こうしたことが米消費者の支出を阻害する恐れがある。新型ウイルスの他の経済的影響はまだこれからだというのに─。

 エコノミストは今や、新型ウイルスと、それが市場に及ぼす影響と、これが消費者景況感を悪化させる可能性があいまって、過去最長の米景気拡大への最大のリスクになると考えている。

 オックスフォード・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、グレゴリー・デイコ氏は「今回の感染拡大では、金融環境の引き締まりが本当に重大な変化のきっかけになると思う」と述べた。

 デイコ氏は、世界的な感染症例の増加と、米国でも感染は広がり得るとの警告により株価は下がり、ドルは上昇、社債のスプレッド(上乗せ金利)は拡大したと指摘。こうした相場の不安定化は、退職をにらんだ一部消費者が支出を抑制するかもしれないことを意味しているという。「懸念するゆえに見通しが一段と慎重になるということになりがちだ」

 株価は、上昇しても常に消費支出の増加に結び付くわけではないが、過去の相場急落では米国民は支出を切り詰めた。例えば2018年12月にS&P総合500種指数が9.2%安と、月間ではリーマン・ショック以降で最大の下落率を記録した際、商務省の小売売上高統計のコア売上高は前月比3%落ち込んだ。