新型肺炎で米株一気に調整局面
2月27日、S&P総合500種は4%下がり、19日に付けた終値ベースの最高値からの下落率が10%を超えて、調整局面に入ったことが確認された。写真は2月25日、ニューヨーク証券取引所で撮影(2020年 ロイター/Lucas Jackson)

[ニューヨーク 27日 ロイター] - 米国株が最高値を更新してからまだ10日足らずしか経過していない。だがこの間、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスが中国国外で急拡大し、世界経済に長期間悪影響が及ぶとの懸念が広がったため、投資家は一斉にリスク回避に走る事態になった。

 S&P総合500種は27日に4%下がり、19日に付けた終値ベースの最高値からの下落率が10%を超えて、調整局面に入ったことが確認された。逆に米長期金利は3営業日連続で過去最低を更新し、金価格が1%強跳ね上がるなど、安全資産に資金が逃避する様子が見て取れる。

 投資家とアナリストは、欧州もしくは米国で新型コロナウイルスの感染がピークアウトした兆しが出てくるまで、市場の動揺は続く公算が大きいと口をそろえている。

 ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートのシニア・グローバル市場ストラテジスト、サミア・サマナ氏は「感染拡大がまだ始まったばかりというところに不安の種がある」と語り、世界的な経済成長の恩恵を受ける工業などのセクターを敬遠し、レバレッジ比率が低くて高い収益力を持つ企業に投資の力点を置く戦略を打ち出した。

 投資家心理が急速に悪化した背景には、2019年にS&P総合500種が30%強も高騰していたことがある。ロバート・W・ベアードの投資ストラテジスト、ウィリー・デルウィッチ氏は「19年の大幅な株高には、米国経済と世界経済、企業業績が劇的に上向き続けるという前提があったことは、重大な留意事項だ」と指摘。こうした期待が既に株価に織り込まれていたため、足元でバリュエーションの水準調整が起きていると付け加えた。