一方、日銀の利下げ期待は高まっていない。「今後2年を見渡しても、OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)からみて1.6回程度」(野村証券のシニア金利ストラテジスト、中島武信氏)だという。

 円債も先物主導で5年や7年ゾーンが買われているが、日銀の追加緩和期待を背景としたものではないとみられている。「商品投資顧問業者(CTA)がデュレーションロングを目的とした買いを入れている」(外資系証券)との見方がもっぱらだ。

黒田総裁発言も一因

 日銀は副作用が強いマイナス金利の深堀りを行うのは難しいとみられているだけでなく、黒田東彦日銀総裁の発言も、日本の長期金利が低下にくくなっている一因だと指摘されている。

 黒田総裁は21日の衆院財務金融委員会で、「(IMFが提言している)長期金利操作目標を短期ゾーンにシフトするということは、将来的にはあり得ると思う」とコメント。「現時点では考えていない」と述べたものの、市場では、金利目標を短期化することで長期や超長期金利をスティープ化させるのではないかという見方が強まった。

 通常はリスクオフの流れが強まると、イールドカーブの動きはブル・フラットとなり、超長期債利回りが大きく低下する。しかし「黒田総裁の発言がきっかけで、ブル・スティープで反応し始めた」とモルガン・スタンレーMUFG証券のエクゼクティブディレクター、杉崎弘一氏は指摘する。ブル・スティープは短期主導の金利低下だ。

 市場では「本気で実現するとは思っていないものの、数パーセントのリスクシナリオとして持たざる得ない」(外資系証券)とされ、5年や7年ゾーンが買われた。一方、世界的な金利低下にも関わらず日本の超長期ゾーンが出遅れる一因になっている。