採用をウェブに振り切った一番の背景は、Twitterでの就活生のツイートでした。面接に行く不安を呟いていたのを見て、採用活動もお互いにリスクがある行為だなと感じ、ウェブ面接に移行しました」(今村氏)

採用に「コロナの影響出ている」と答えた企業が10倍に

 ベーシックのように、採用をウェブ面接に切り替えようとする企業は急増している。ウェブ面接ツール「インタビューメーカー」を提供するスタジアムが企業1万1764社を対象に実施した調査によれば、2月8日時点と3月3日時点で、企業の採用活動におけるコロナウイルスの影響が大きく変化していることがわかった。

企業担当者アンケート回答結果「ウイルス感染拡大に伴い、選考活動への影響は出ていますか?」 提供:スタジアム・ジェイック共同調査 拡大画像表示

 2月8日時点で「新型コロナウイルスの影響出ている」と回答したのは6%なのに対し、3月3日時点では60%と、約10倍に増えている。さらに2月8日時点では「今後も影響は出ないと思う」と答えたのが約半数の48%もいたことから、企業側も数週間前まで楽観視していたことがわかる。現在まさに、“想定外”の対策に追われている状況なのだ。

 実際、スタジアムが2月8日週とその翌週以降の週の問い合わせ件数を比較したところ、22倍に急増した。スタジアムが1月28日からウェブ面接ツールの無償提供に乗り出したこともあるが、「クルーズ船で患者が増え続けているという報道の影響か、2月10日以降で急に引き合いが増えた」と、スタジアム執行役員の前澤隆一郎氏は語る。

「当初は『ウェブ面接を導入したい』という問い合わせばかりでしたが、リクナビが合同説明会の中止を発表した2月17日以降は、『面接だけでなく、説明会もウェブでやりたい』という声を多数いただくようになりました」(前澤氏)

ウェブ面接は“コロナ特需”で流行するのか

 ウェブ面接の導入検討は、誰もが知っているような大手企業で特に多い。三井住友銀行などはすでに、コロナ対策として先輩社員と就活生が話せるリクルーター面談をウェブに切り替えている。

 前澤氏も「何もしなくても応募者が集まってきたような人気企業は、これまでウェブ面接を導入する必要に迫られていませんでした。ですが今回のコロナウイルスの影響で、一気に導入が進みました」と語る。