ですから、上司やリーダーは常に浮き輪になるような言葉をあらかじめ用意しておくことが大切です。

 波止場や夏のプールの監視台には、必ず救命用の浮き輪が用意されています。いつ使うかは分からないけれども、誰かが「ドボン!」と落ちた瞬間、その浮き輪を投げる。

 部下や後輩のピンチや失敗は、上司や先輩のチャンスです。かねて用意してきた「浮き輪言葉」を使うチャンスであり、人間力の見せどころなのです。

 南部自動車学校が得た成果は生徒数の増加だけではありません。教官の離職率が圧倒的に下がり、さらに他の教習所からの転職が増えているのです。

 一般的に、教習所の先生は怖いというイメージがあり、休憩時間中にロビーなどで生徒が先生を見かけても、目線を避け、逃げるようにして通り過ぎることが多いのです。

 ところが、南部自動車学校の先生は、自分のことをほめちぎってくれるので、生徒の方から積極的に先生に挨拶したり声がけをしています。しかも笑顔で。こうして生徒、先生ともに居心地の良い場所を実現しているのです。

斜陽産業の価値を
ほめるの活用で再発見

 南部自動車学校が、「ほめ達!」の支部になり、「ほめる」ことを教習の柱に据えると決められた時に、私が提案したことがあります。それは自分たちの仕事の再定義です。

 少子化とともに、若者の車離れも進んでいるし、自動運転の実用化も目の前まで来ている。自動車学校は、典型的な斜陽産業だと考えられています。