累計27万部を突破! 『社内プレゼンの資料作成術』『プレゼン資料のデザイン図鑑』などプレゼンの定番シリーズ最新刊『パワーポイント最速仕事術』から、効果的なスライドを最速でつくる「パワポ操作法」を紹介します。著者は、ソフトバンク在籍時に、孫正義氏から何度も「一発OK」を勝ち取ったほか、孫氏のプレゼン資料作成も担当しましたが、超多忙だったため、そのような優れたプレゼン資料を「最速」でつくる必要性に迫られていました。その結果生み出された、超実践的な「パワポ仕事術」は、きっと多くのビジネスパーソンの参考になるに違いありません。

パワーポイントで「独自の色」をつくって、<br />「印象的なプレゼン資料」をつくる“裏ワザ”とは?Photo: Adobe Stock

「ポジティブ=青」「ネガティブ=赤」

 プレゼン資料は、「カラー」を上手に使うことで、効果に格段の差が生まれます。黒一色で表現するよりも、重要な部分にカラーを使うことで、見る人の注意を喚起することができるからです。

 ただし、この効果を最大化するためには、あまり多くの色数を使わないことが大切です。色数が多いと、逆に「何を伝えたいのか」がわかりにくくなるうえに、目がチカチカして“見る気” が失せてしまいます。

 ですから、できるだけ色数は絞って、「ここがポイント!」という部分だけをカラーにするのが基本です。もちろん、色数を増やさざるをえないスライドもありますが、その場合でも、1枚のスライドで3色を上限にするように心がけるとよいでしょう。

 もうひとつ、重要なポイントがあります。「売上増」「経費削減」などポジティブなメッセージは青、「売上減」「経費増」などネガティブなメッセージは赤に統一することで、わかりやすいプレゼンにすることができるのです(下図参照)。

パワーポイントで「独自の色」をつくって、<br />「印象的なプレゼン資料」をつくる“裏ワザ”とは?
パワーポイントで「独自の色」をつくって、<br />「印象的なプレゼン資料」をつくる“裏ワザ”とは?

 これは、国際的に通用するルールです。

 世界中の信号が「青=進め」「赤=止まれ」で統一されているように、青は「良好、順調、安全」のシグナルであり、赤は「不良、不安、危険」のシグナルとして使われています。そのため、このルールに従ってスライドをつくれば、見る人は無意識的に「このスライドはポジティブなメッセージを伝えようとしている」「このスライドはネガティブなメッセージを伝えようとしている」と感じるので、より早くスライドの意図を読み取ってくれるのです。

「フォントカラー」を指定する

「フォントカラー」を指定する方法は簡単。

 まず、テキストボックスのすべての文字のカラーを変える場合には、下図のように、テキストボックスを選択したうえで、[ホーム>フォントの色]をクリックします。表示されるメニューからカラーを選べば、すべての文字のカラーが切り替わります。

パワーポイントで「独自の色」をつくって、<br />「印象的なプレゼン資料」をつくる“裏ワザ”とは?1 テキストボックスを選択。[ 2 ホーム>3 フォントの色]を開く。4でカラーを選択。

 テキストボックス内の一部の文字のカラーを変更する場合には、下図のように、変更したい文字を選択したうえで、これと同じ操作をします。

パワーポイントで「独自の色」をつくって、<br />「印象的なプレゼン資料」をつくる“裏ワザ”とは?1 文字を選択する。[ 2 ホーム>3 フォントの色]を開く。4でカラーを選択。

鮮明な「青」「赤」をオリジナルで設定する

 ちなみに、私は、モニターに投影されたときに鮮やかに映える青と赤を、オリジナルで作成して使用しています。「青」と「赤」のキーカラーがくっきりはっきり見えますので、スライドの印象そのものが非常に強くなります。プレゼンの説得力にすら影響があると感じていますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

 設定手順は以下のとおり。なお、一度設定したら、「最近使用した色」に両色が表示されますが、新規で立ち上げたパワポには反映されません。両色をデフォルト設定にする方法は『パワーポイント最速仕事術』で詳しくご紹介しています。

【手順1】

パワーポイントで「独自の色」をつくって、<br />「印象的なプレゼン資料」をつくる“裏ワザ”とは?1 カラーを塗りたい部分を選択。[2 ホーム>3 フォントの色>4 その他の色]を選択。

【手順2】

パワーポイントで「独自の色」をつくって、<br />「印象的なプレゼン資料」をつくる“裏ワザ”とは?[1 色の設定>2 ユーザー設定]で[3 カラーモデル>RGB]を選択し、 [4 赤0 緑0 青255]に設定して[5 OK]をクリック。

【手順3】

パワーポイントで「独自の色」をつくって、<br />「印象的なプレゼン資料」をつくる“裏ワザ”とは?[ 1 カラーモデル>RGB]を[2 赤255 緑0 青0] に設定して[3 OK]をクリック。
パワーポイントで「独自の色」をつくって、<br />「印象的なプレゼン資料」をつくる“裏ワザ”とは?
前田鎌利(まえだ・かまり)
1973年福井県生まれ。東京学芸大学卒業後、光通信に就職。「飛び込み営業」の経験を積む。2000年にジェイフォンに転職して以降、ボーダフォン、ソフトバンクモバイル株式会社(現ソフトバンク株式会社)と17年にわたり移動体通信事業に従事。営業プレゼンはもちろん、代理店向け営業方針説明会、経営戦略部門において中長期計画の策定、渉外部門にて意見書の作成など幅広く担当する。
2010年にソフトバンクグループの後継者育成機関であるソフトバンクアカデミア第1期生に選考され、事業プレゼンで第1位を獲得。孫正義社長に直接プレゼンして数多くの事業提案を承認されたほか、孫社長が行うプレゼン資料の作成も多数担当した。ソフトバンク子会社の社外取締役や、ソフトバンク社内認定講師(プレゼンテーション)として活躍したのち、2013年12月にソフトバンクを退社。独立後、『社内プレゼンの資料作成術』『社外プレゼンの資料作成術』『プレゼン資料のデザイン図鑑』(ダイヤモンド社)を刊行して、ビジネス・プレゼンの定番書としてベストセラーとなる。
2016年株式会社固を設立。ソフトバンク、ヤフーをはじめとする通信各社、株式会社ベネッセコーポレーションなどの教育関係企業・団体のほか、鉄道事業者、総合商社、自動車メーカー、飲料メーカー、医療研究・開発・製造会社など、多方面にわたり年間200社を超える企業においてプレゼン研修・講演、資料作成、コンサルティングなどを行う。プレゼンテーション協会代表理事、サイバー大学客員講師なども務める。