また、私のクルマの助手席に彼を乗せて長野に向かっているときに、こんなことを言われたことがあります。

「ずいぶん燃費の悪い運転をするね。2000回転を超えると燃費が悪くなるから、もう少しアクセルを緩めたほうがいい。それに、目を血走らせて追い越し車線を飛ばしても、到着時間はそんなに変わらないから大丈夫」

 たとえ「数百円」でもガソリン代を節約すれば、その分「目的」のためにお金を使うことができる。彼が経営者として、社員のためにお金をかけることができるのは、床に落ちている「輪ゴム1本」まで大切にする堅実さを持っているからなのです。

 その成功者とは、私、山下誠司がナンバー2として取締役を務める、日本最大級・240店舗の美容室チェーン「EARTH(アース)」を展開する「(株)アースホールディングス」の創業者である、國分利治社長のことです。

 國分は、テレビや雑誌でも、数多く取り上げられ、華やかな生活が目立ちますが、それもすべて「自分のビジョンを視覚化して、社員に見せるのに必要だから」です。

 國分には「100人の経営者をつくる」「100年以上続く会社をつくる」という「ビジョン」があります。フェラーリを所有するのも豪邸に住むのも、「夢を形として、社員に見せるため」であり、欲しいから所有しているわけではないのです。社員の「夢」を刺激することで、向上心に火をつけたいと思っているからなのです。

 國分は「ビジョン」をかなえるための投資を惜しみません。「億単位のお金」を平気で使うこともありますが、それ以外は「徹底して最低限のお金しか使わない」のです。

 普段の國分は、じつに慎ましい。通勤は電車。プライベートで使う月の生活費は10万円以下です。フェラーリに乗るのは、「社内のイベント」のときのみ(年に2、3回)。

 それが、年収1億円以上になる人の習慣であり、國分の決めた「ルール」なのです。