人生、何がおこるかわかりません。順調にいくこともあれば、逆風にさらされることもあります。経済状況が混とんしている今、お金こそが命綱です。そんな大切な命綱ですが、あなたと伴侶の二人を支えるだけの強度はありますか。なにかのための備えは日頃からきちんとやっていく必要があります。急に慌てても間に合わないので、元気な今のうちから少しずつ準備を始めていきましょう。
そこで、ご夫婦や子ども向けにお金の教育活動をしているお金のソムリエ協会会長による新刊『夫婦1年目のお金の教科書 夫婦生活はお金の相性で決まる!』から、夫婦1年目がよくモメるテーマから生まれた疑問を基に、新婚さんはもちろん、結婚を控えているカップルから熟年夫婦に至るまで、お金が増えて貯まる最高の家計術を42項目にわたって紹介していきます。

購入は後回し。
まずは賃貸にしましょう

 住宅費は人生の三大出費の一つで、生涯支出の中で税金・社会保険料に次ぐ2番目に大きな出費です。ですから、これを上手にコントロールできるか否かで、あなたの人生が決まります。

 それくらい大切なことなので、「購入と賃貸ではどっちが得か?」という論争がこれまで延々と繰り広げられてきました。

 購入派の最大のよりどころは、「賃貸では永遠に自分のモノにはならないが、購入であれば自分のモノになる」です。確かに、マイホームがあると安心です。

 賃貸派の主張は、「家は持つためのモノではなく利用するもの。ライフスタイルに合わせて住み替えたほうが効率的に利用できる」です。

 所有することに価値を感じる人は購入派になるし、利用に価値を感じる人は賃貸派になる。価値観が違うので、どちらかが正しくて、どちらかが間違えている、ということではありません。

「どっちが経済的に合理的か?」という切り口に絞ると、どうでしょうか。

 購入したマンションや一戸建てを賃貸に出す際の推定家賃収入を決めます。それが住宅ローンの毎月の返済額に維持費を足した住宅費を超えるなら、買ったほうが得です。その場合の物件価格は「適正価格」といえます。

 この場合の住宅費とは全額借入で買った場合の「住宅ローン元利返済額+維持費」です。マンションの場合、管理費はいずれ2倍になり、修繕積立金はいずれ5倍になる可能性があるので、維持費は多めに見積もってください。そして、家賃は下がることはあっても上がるケースはごく稀です。