臨床的改善に至るまでの日数は、両群とも中央値で16日であった。カレトラ投与群から同薬投与後24時間以内に死亡した3人を除いて解析すると、臨床的改善に至るまでの日数は、標準治療群の16日に対してカレトラ投与群では15日と1日だけ短縮した。28日死亡率については、カレトラ投与群の方が標準治療群よりも低かった(19.2%対25.0%、-5.8%差)が、この差は統計学的に有意ではなかった。5、10、14、21、28日目にSARS-CoV-2のRNAが検出された患者の割合も両群で同程度であった。

 副作用については、カレトラ投与群で標準治療群に比べて、悪心や嘔吐、下痢といった消化器系の有害事象の発生頻度が高かったが、深刻な有害事象の発生頻度は標準治療群の方が高かった。

 こうした結果を受けて、Cao氏らは「今回の試験では、重症のCOVID-19成人患者にカレトラを投与しても、標準治療を超えるベネフィットは得られなかった」と結論付けている。その一方で、症状が現れてから12日以内にカレトラ服用を開始した患者では、標準治療群に比べて、臨床的改善に至るまでの日数が短く(16日対17日)、死亡率も低下していた(19.0%対27.1%)。このことから、同氏らは、カレトラによる治療を早期に始めれば、効果が得られる可能性も考えられ、さらなる研究が求められると述べている。

 この研究論文の編集委員を務めたLindsey R. Baden氏らは、今回の試験結果について「主要評価項目については残念な結果だった。しかし、死亡率については、被験者数が少なかったため慎重に解釈する必要はあるが、カレトラ投与群で若干低かった点は興味深い」と記している。また、カレトラが有意な効果を示さなかった理由として、対象者が重症な患者集団であったためか、またはそもそもカレトラに抗SARS-CoV-2作用がないかのいずれかが考えられるとしている。(HealthDay News 2020年3月26日)

Abstract/Full Text
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2001282

Editorial
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMe2005477?query=recirc_curatedRelated_article

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