永田町夕景Photo:PIXTA

見落とされがちな
コロナショック「2つの視点」

 新型コロナウイルス問題の不安の本質は、経済学者のフランク・ナイトが指摘した、確率分布を推測できない「真の不確実性」と、グローバル化に伴い世界中に一斉に広がったパンデミック感染だ。

 事態への対応で今、見落とされがちな重要な2つの点がある。

 1つは、日本経済が再び資産デフレに戻るのを回避することだ。

 このために政府や金融当局はデフレ回避の姿勢がわかるような強いメッセージを出すことだ。

 2つ目は、今回の危機が「資本」の毀損に及ぶ可能性があることを踏まえ、資本対策に向けた支援の仕組みを早急に作ることだ。

 日本銀行をはじめ各国中央銀行は量的緩和策の強化などを打ち出しているが、今の事態は量的な「マネー」拡大の次元で済む問題ではないことを認識する必要がある。