ロイターはそうした内容が正確かどうか確認できなかったが、シティ・オブ・ゴッドの複数の住民は、夜間外出禁止など厳しい規制が敷かれていると証言した。

 ブラジルではこれまで新型コロナは、「金持ちの病気」と言われた面があった。当初は欧州から帰国した比較的生活が豊かな人たちが持ち帰ったからだ。だが、ウイルスはすぐに貧困地域にも広がり、全国で1500万人近くに上るファベーラの住民は恐怖におののいている。

 何しろファベーラは人口が密集し、不法就労者も多く、公共サービスは劣悪で、感染拡大が加速しかねない。一方で、ファベーラには事実上政府機関が存在せず、さまざまな麻薬ギャングらが抗争し、互いに、あるいは警官らと連日銃撃戦を繰り広げながら、近隣の法秩序を司っている。

 貧困地帯のインフラもひどい有様だ。ブラジル当局によると、同国で公営水道を利用できない人は約4000万人に達し、人口のおよそ半数に当たる1億人は下水設備なしで生活している。

 シティ・オブ・ゴッドの住民のジェファーソン・マイアさん(27)は「基本的な公衆衛生状態が目も当てられない。場合によっては、きちんと手を洗うための水さえなく、新型コロナの問題をとても心配している」と不安を口にした。

 リオの別のファベーラで働く医師のタミリス・デベザさんは、住民たちは過去2週間ずっと自宅の水不足を訴えており、手を洗って新型コロナの急速な感染拡大から身を守るのが難しくなっていると指摘。近隣の多くの薬局では手の消毒剤は売り切れ、残っている商品もとんでもない高額だと嘆いた。