水口貴文スターバックス コーヒー ジャパン代表取締役最高経営責任者Photo by Masato Kato

カフェチェーンの王者、スターバックス。コンビニのコーヒーが躍進を遂げた以降も、スターバックスのドリップコーヒーの売り上げは一度も落ちたことがないという。水口貴文社長に「強いブランド」のつくり方を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 山本興陽)

従業員は働くことを「自分事」にしている
コンビニコーヒーの躍進は“ありがたい”

──店舗を訪れると、働いている従業員が自信に満ちあふれていると感じます。

 パートナー(アルバイトやパート従業員)がオーナーシップを持って働いている。つまりスターバックスで働くことが「自分事」になっているからでしょう。

 4カ月に1回、店長とパートナーはミーティングを実施します。交わされる内容は、何ができていて何ができていないといった、一般的な店長とアルバイトとの会話ではありません。「人生の目標は?」といったテーマから入り、そこから「店舗でできることは何があるのか」といった形へと落とし込んでいるのです。会社の目標ではなく、パートナー自身の人生の目標を設定しているんです。こうした過程を経ることで、(単なるお金稼ぎとしてのアルバイトにとどまらず)「自分事」になって働いているのです。

──コンビニコーヒーが躍進しています。