無名の美術教師による初著書にもかかわらず、各界のオピニオンリーダーらやメディアから絶賛され、発売1ヵ月で3万部超という異例のヒット作となっている『13歳からのアート思考』。先行きが不透明な時代だからこそ知っておきたい「自分だけのものの見方」で世界を見つめ、「自分なりの答え」を生み出す思考法とは? 同書より一部を抜粋してお届けする。

なぜ利休は、秀吉が心待ちにした「庭の朝顔」をすべて摘み取ったのかPhoto: Adobe Stock

なぜこんなに「情報量」に差があるのか

ここ数回の記事では「アート作品の『見方』」について探究してきました。そこでは、「背景とのやりとり」と「作品とのやりとり」という2つの鑑賞方法があることをご紹介しました。

※参考記事
どんなアート作品にも「2通りの鑑賞法」がある
https://diamond.jp/articles/-/233673

今回からは、「作品とのやりとり」について、別の角度から深めていきましょう。

次の作品は、安土桃山時代(16世紀)に長谷川等伯(1539~1610)によって描かれた《松林図屏風》という屏風絵です。
日本の国宝でもあるこの作品。目にしたことがある人もいるかもしれません。

それでは見ていきましょう!

■右隻

Hasegawa Tohaku - Pine Trees (Shōrin-zu byōbu) - left hand screen

■左隻

Hasegawa Tohaku - Pine Trees (Shōrin-zu byōbu) - right hand screen