永寿総合病院
東京下町地域の中核病院である永寿総合病院は、院内で新型コロナウイルスの集団感染が発生し、外来診療を休止した。4月6日撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

[東京 6日 ロイター] - 「当面の間、外来診療を休診とさせていただきます」。正面玄関のガラス扉に貼られた紙を見て、診察に来た高齢の男性は呆然としていた。

 東京都台東区のJR上野駅からほど近い永寿総合病院は、下町で暮らし働く人が診療に訪れる地域の中核病院だ。しかし、新型コロナウイルスの感染発生が3月23日に伝えられて以降、院内では4月3日までに140人が感染。うち40人以上が医師や看護師、事務員などの職員で、病院は外来の受け入れを休止した。

「かかりつけ医師の診察を求めている患者がいるのに、病院が閉鎖され、他の病院を紹介してもらうこともできない、これは医療崩壊だ」――日本医師会の釜萢敏・常任理事はロイターとのインタビューでそう語った。

 病院の前に立ち尽くしていた高齢男性は、警備員からその場を離れるよう促され、自身の「かかりつけ医」を後にした。

第一波の制御に失敗

 日本ではまだ、米国や欧州のような爆発的な感染の広がりは起きていない。医療崩壊を危惧する医師会や、小池百合子都知事などから声が挙がっているにも関わらず、政府は「ぎりぎりの状態」だとの認識をずっと繰り返し、都道府県知事に強い権限を与える緊急事態宣言を出してこなかった。