株式レポート
8月17日 18時0分
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マーケット・アップデイト(2012年8月17日)仕切り直し - 広木隆「ストラテジーレポート」

やっとスタートラインに戻ってきた感じだ。日本株相場のことである。7月初めに出した「日本株式市場展望」で、「ここからしばらく戻りを試すだろう」と述べた途端に、日本株は2番底を探りにいくような展開となった。7月下旬に底を打って反転上昇、ようやく7月初めの位置まで戻ってきた。

7月の「日本株式市場展望」で戻り基調継続と読んだ背景は以下の4点だった。

1.欧州債務不安の緩和
2.米国経済の持ち直し
3.世界的な金融緩和期待の持続
4.日本企業の業績堅調

欧州ではドラギECB総裁が「ユーロ防衛のためにあらゆる手段を講じる用意がある」と述べて以来、市場の不安が後退している。昨日もカナダのオタワを訪問中のドイツ・メルケル首相が異口同音に同じことを述べ、ドラギ総裁の発言にエンドースメント(裏書き)を与えるパフォーマンスをして見せた。

米国経済については強弱入り乱れる経済指標の発表が続いているが、8月に入ってからは改善が目立つ。雇用統計、小売売上高、新車販売などである。昨日発表された指標のなかでは、住宅着工の先行指標となる住宅着工許可件数が前月比6.8%増と大幅な伸びを示した。許可件数81万2000件はリーマンショック直前の2008年8月以来4年ぶりの高水準である。こうしたことを背景に米国金利はじわりと上昇し、ドル堅調の背景となっている。
その一方で、追加緩和期待も、一時よりは後退したとは言え、根強く残っている。ある意味、ベストなバランスではないか。欧州でもLTRO第3弾が実施されるのではないかという観測が浮上、引き続き主要国の緩和期待がリスク性資産のサポートとなるだろう。

そして前回のレポートでレビューした通り、日本企業の業績は4-6月期の決算発表を終えて若干下方修正されたものの依然として2割程度の経常増益が見込まれている。

投資環境は筆者の想定通りだったが、実際の相場はもたついていた。しかし、ニューヨーク・ダウ平均が年初来高値目前、外国為替市場でもドル円が79円、ユーロ円が98円をつけるなどの円安の鮮明化を受けては、さすがに日本株も上がらざるを得ないというところだろう。
昨日、ダウ平均は反発し終値は前日比85ドル高の13,250ドルと、年初来高値まであと30ドル弱の水準にまで上昇した。ダウ平均の上昇幅は一時100ドルを超え年初来高値まであと10ドルに迫る13,269ドルまで買われた場面があった。非常に強い上昇トレンドを形成しており(グラフ1)、年初来高値更新は時間の問題だろう。状況次第では年内にも史上最高値に迫る場面があるかもしれない。





ドル円は下値を切り上げる格好で底堅さを示してきたが、ついに上放れた。6月の戻りで頭を抑えられた75日の移動平均と200日の移動平均が集中していた79円20銭の水準を抜けてきた(グラフ2)。現在は一目均衡表の雲の中だが、ここを抜ければ三役好転、上値が軽くなるだろう。

日経平均は、一足早く三役好転となっている。株価が雲の上に抜け、転換線が基準線を下から上に突き抜けた。そして遅行線が株価の上に出ている(グラフ3)。この3つの条件がそろうことを「三役好転」と言い、非常に強気のシグナルとされている。また移動平均を見ると、あと少しで25日線が75日線を下から上に突き抜けるゴールデン・クロス目前(グラフ4)。今の水準以上を維持できれば、あと3日以内にゴールデン・クロス達成となる。前回のゴールデン・クロスは2月の初めだった。相場はそこから一気に上昇基調を強めた経緯があり、今回ゴールデン・クロス達成となれば相場の雰囲気もだいぶ変わるのではないかと思われる。





(チーフ・ストラテジスト 広木 隆)

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