ほめる力Photo:PIXTA

「ほめる」の反対は「叱る」と思われがちであるが、ほめる達人は「叱る」ことを否定していない。もちろん不必要に叱ることは避けなければならないが、上司として時には部下を叱らなければならないこともある。では、その際に何に注意すべきなのか。たった1つのことを意識するだけで、部下の受け止め方ががらりと変わる、とっておきの方法をお伝えしよう。(一般社団法人日本ほめる達人協会理事長 西村貴好)

お金には代えがたい
「心の報酬」の価値

 企業研修において、「ほめ達!」が大いに求められているのには理由があります。

 その1つが、「ほめ達!」を身につけた上司や先輩が部下や後輩に「心の報酬」を渡せるようになることです。

「心の報酬」とはお金でもなければ、待遇や福利厚生や休みの多さでもありません。そして、社員の誰もが求めていながら満たされていないものでもあります。

「心の報酬」は2つに大きく分けられます。1つは「成長の実感」、もう1つが「貢献の実感」です。

 まず「成長の実感」について説明しましょう。

 そもそも人というのは、自分が成長していることを実感したいものなのです。