「2ちゃんねる」「ニコニコ動画」などを手掛け、いまも英語圏最大の匿名掲示板「4chan」や新サービス「ペンギン村」の管理人を続けるひろゆき氏。
4万部を突破した新刊1%の努力』では、そこに至る根っこの部分を掘り下げ、いかに彼が今の立ち位置を築き上げてきたのかを明らかに語った。

「努力はしてこなかったが、僕は食いっぱぐれているわけではない。
 つまり、『1%の努力』はしてきたわけだ」
「世の中、努力信仰で蔓延している。それを企業のトップが平気で口にする。
 ムダな努力は、不幸な人を増やしかねないので、あまりよくない。
 そんな思いから、この企画がはじまった」(本書内容より)

今回は、「日本の企業」について語る――

権威に弱い自分

あなたは、「権威」に弱いだろうか。
かくいう僕も、医者や学者の言うことは聞くので、権威に弱いと言えるかもしれないので、程度の差だ。
その程度を確かめる1つの判断軸がある。

なぜみんな「大企業に行け」と言うのかひろゆき氏(撮影:榊智朗)

「あなたは先輩に歯向かえるか?」

どうだろうか。
骨の髄まで体育会系が染み付いている人は、先輩に向かって端から歯向かおうという意識が端からない。
疑うことすら悪いことだと思っている人もいる。
それだけ権威に弱いのであれば、従順に生きたほうが幸せだ。いまさら無理に戦う必要はない。そういうことを僕は勧めない。

官僚や大企業では、そつのない人が年齢順に出世していく。
これは、昔からの社会システムの影響がある

「理不尽に耐える」というシステム

昔の日本は、長男が全部の財産を引き継いで、次男や三男は勝手に生きていくようなことが当然とされていた。今もその名残はある。
いわゆる家父長制であるが、その社会システムを持っている国は、「権威主義」が強い。
偉い人が決まったら、それに従うのが当たり前になり、偉い人が決めることを無意識に受け入れてしまうのだ。
頭のいい三男が文句を言っても、長男が決めたことは絶対だ。

そういう家族制度の国は、外の社会でもそれに倣い、父親や長男が、社長や上司に置き換わるだけになる。
だから、実際に兄弟がいるかどうか以前に、社会システムとしてどういう家族形態を取っている国なのかで、考え方にまで影響が及ぶ。
家父長制では親から、「家督はお前に継がせない」と言われると、すべてがなくなってしまう。
だから、どんな理不尽なことも受け入れてしまう。

ちなみに僕は留学時代、「先輩が言うことは絶対だ」なんて考え方はアメリカでまったく感じなかった。
個人が主張し、おかしいと思ったことはおかしいと言う。そういう環境だった。
先輩、後輩のような関係は、ない国にはない。