日本銀行Photo:PIXTA

 新型コロナウイルス対策で財政支出が急増。国債発行額も急増している。

 中央銀行がこれを購入して金利上昇を抑えている。コロナ感染が続く期間中は、これによってインフレが生じることはない。感染の終息したコロナ後も、V字回復は期待できないので、インフレは生じないだろう。

 ただ通貨に対する信頼を維持するためにも、大型倒産のリスクを中央銀行が引き受けること(リスクの国有化)には、慎重である必要がある。

国債発行が急増しているが、
中央銀行の購入で長期金利は低下

 新型コロナウイルス感染症緊急経済対策は、国民一律10万円の生活給付が盛り込まれ、117兆円規模のものになった。

 2020年度補正予算における国債発行増は、約26兆円。当初予算と合わせると、約58兆円だ。今年度末残高は、1033兆円になる。

 今後も財政支出は増える可能性が高い。そして、国債発行が増える。