大幅安の高金利通貨、どうすべきか悩む投資家への処方箋トルコ、イスタンブールの美しい風景。エキゾチックな雰囲気に惹かれ、高金利の新興国通貨に投資する人も多い(写真はイメージです) Photo:PIXTA

人気の高い高金利通貨
コロナ禍で年初から2割下落

 格段に高い利回り、高い経済成長期待、エキゾチックな異国への憧憬など、様々な理由から、高金利通貨は日本人にとって魅力的な投資先だ。数年前にブームとなったブラジル・レアルや南アフリカ・ランド、国際機関やグローバル企業がたびたび起債するトルコ・リラやメキシコ・ペソなどは、人気の高金利通貨だ。

 ところが高金利通貨は、ここ数年軟調地合いが続き、今年に入ってからは新型コロナウイルスの世界的蔓延が下落傾向に追い打ちをかけている。5月3日付の日本経済新聞の記事によると、今年4月30日までの100日間で、新興国からは10兆円を超える資金が流出したという。昨年末から4月末までの高金利通貨の騰落率(対円)は、レアルが▲27.7%、ランドが▲25.5%、リラが▲16.0%、ペソが▲22.8%と、軒並み2割前後の大幅下落となった。

 筆者は仕事柄、個人投資家の方から「保有している高金利通貨で損失を抱えているが、どうしたら良いか」という質問を頻繁に頂戴する。利回りの高さと通貨の下落リスクは表裏一体であることは、皆さんよくご存知のはずだが、それでも為替で損失を抱えてしまう方が多いのは、一体どこに原因があるのだろう。