日銀黒田総裁
5月11日、主要国の中央銀行は、長い時間をかけてアナウンスメント効果が経済に及ぼす影響を分析し、「フォワードガイダンス(政策指針)」に磨きをかけてきたが、今回の新型コロナウイルス危機では、事実上、明示的な政策指針を掲げられない状況に陥っている。写真は日銀黒田総裁。本店で1月撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung Hoon)

[ワシントン/東京 11日 ロイター] - 主要国の中央銀行は、長い時間をかけてアナウンスメント効果が経済に及ぼす影響を分析し、「フォワードガイダンス(政策指針)」に磨きをかけてきたが、今回の新型コロナウイルス危機では、事実上、明示的な政策指針を掲げられない状況に陥っている。

 今後6カ月の経済見通しについては、恐慌からV字型の回復まで様々なシナリオが浮上しており、主要国中銀は、長期戦で経済を支援する意向を示す以外、具体的にどの時点でどのような対策を講じるかを明示できていない。

 これは「危機時には明示的なフォワードガイダンスが有効」とする最近の説に反する動きと言え、特に米連邦準備理事会(FRB)は近く、現在の戦略を修正する可能性がある。

 FRBで過去1年かけて形になってきた危機対応戦略に従えば、次の局面では、債券買い入れなどの政策範囲をさらに明確にし、具体的にどのような形で長期金利の低下を促すのかを明示することになるはずだ。

 FRB当局者は、現時点では見通しがあまりに不透明で具体的なプランを明示するのは難しく、その必要もないとしているが、アナリストの間では、早ければ次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で戦略の修正に乗り出すのではないかとの見方が浮上している。