ある呑み会でパートナーの佐藤和孝さんの話題になった。

 ジャパンプレス代表の佐藤さんは、アジアプレスから山本さんを奪ったとみられたりしていることから、誤解の少なくない人物である。

 ちなみに私は佐藤さんに対するそうした気持ちは一切ない。一度もお会いしたことはないが、むしろ美香さんから話を聞いているからか、理想の高い素晴らしいジャーナリストという印象を持っている。

 さて、その夜も、ある大手新聞記者が彼女にこう忠告して言うのだった。

「佐藤といると君のためにならない。早く別れた方がいい」

 その時、あの温厚な美香さんの表情がさっと変わって、強い口調で失礼な記者に反論したことを今でも覚えている。

「そういう批判の声があることは知っています。でも、彼の良いところも悪いところも理解しているつもりです。佐藤さんは世界で何が起きているかを私に教えてくれた人で、彼がいなかったらいまの私はなかったし、きっといろいろなことに後悔していたと思う。私自身が彼を信じて尊敬している、それがすべてです」

 当時、よく席を同じくし、厳しい人物批評で知られる藤本順一さんですら「吸い込まれるような目をしていた。真実の目というか、本物のジャーナリストの目をしていたよね、彼女は別格だね」と盛んに褒めていたことが印象的だ。

 忘れられないのは彼女が私の見舞いに来てくれた時のことだ。

 2003年から2004年にかけて、イラク入りに失敗して重傷を負った私は、パリの病院、東京の病院、山梨の病院と長い入院・リハビリ生活を余儀なくされていた。

 その時の山本さんの言葉が印象深かった。