一方、日本と世界の主な国における感染者数(死者数)を比較すると下記のような状況だ。

米国:144万2924人(8万7493人)
英国:23万6711人(3万3998人)
イタリア:22万3885人(3万1610人)
フランス:14万1919人(2万7529人)
中国:8万2941人(4633人)
韓国:1万1037人(262人)
日本:1万6237人(725人)

 日本の感染者数・死者数についてはさまざまな議論があり、単純な国際比較はできない。それでも米英伊仏と比較して死者数が2桁少ないこと、世界から高い評価を受ける韓国とも遜色のない感染者数・死者数にとどまっていることは、特筆に値するだろう。

 だが、コロナ対策に関する安倍首相の一連の意思決定に対する評価は低い。「全校一斉休校」や「アベノマスク」の決断が、専門家の助言に基づかない首相の独断だったことが次々に報道された(本連載第237回)。

 一方で、さまざまな専門家が持論をメディアやSNSで次々と発表し、国民がそれに従って行動自粛を続けていることに違和感を持つ人も少なくない。何より、外出や営業の自粛によって倒産や破算の危機に陥った事業者や個人は強い不満を持つようになっている(第239回)。

 そこで本稿は、安倍政権の意思決定を検証する。コロナ対策で注目が集まったのは、「専門家」の存在だ。テレビのワイドショーやインターネットのニュースサイトなどに「専門家」と称される人々が登場しない日はない。コロナ対策を理解するには、通常の政策課題と比べて格別に高い専門性を必要とする。それでも国民は、その内容を強く知りたがっているということだろう。そして、日本のコロナ対策の陣頭指揮を執るのはいわゆる「専門家会議」だ。