アクセラレータープログラム「Onlab」との出合い

 そんなとき、ずっと気になっていたインキュベーションプログラムがOnlabでした。これは本当によこしまな考えなんですが、Onlabに入ったスタートアップがことごとくうまくいっているように見えてたんですよね。特にすごく印象が残っていたのがFablic(フリマアプリ「フリル」を運営していたスタートアップ。後に楽天が買収)とWondershake(女性メディア「LOCARI」運営のスタートアップ)の2社でした。

 Wondershakeの鈴木君(代表取締役の鈴木仁士氏)は東日本大震災の日に出会ったのでよく覚えています。当時大学生だった彼は、その数カ月後に起業して、いきなりVCから数千万円の資金を集めていました。Fablicは創業メンバーの1人であるtakejun(Fablic取締役兼デザイナーで共同創業者の竹渓潤氏。takejunはTwitterなどでのアカウント名)が以前から飲み友達だったんです。彼からフリルについての相談を受けているうちに、あれよあれよという間に大きくなっていくのを見ていました。それで僕たちも2014年の夏にOnlabに申し込んだんですが、審査に落ちて入れませんでした。その半年後にまたチャレンジして、何とか審査に受かったんです。

 ちなみにOnlabに入ったからうまくいくというのは幻想でした(笑)。結局自分たちで頑張らなきゃいけないんですよね。ただ、Onlabは頑張るためにいろいろなチャンスをくれました。一番良かったのは自分たちのサービスをお披露目する「デモデイ」です。Onlabに入ると、デモデイのある3カ月後までにサービスを磨いて、事業の数字を作って、デモデイで投資家にその成果を発表するんです。3カ月という期間と、デモデイがセットになっているんで、「結果にコミット」ではないですが、むちゃくちゃ頑張るんです。

 Onlabに入った当初企画していたのは、SaaS製品の口コミサイトでした。ですが、それがサービスとしていかに甘かったかというのも分かっていきました。例えばメンターから「ユーザーは本当にこういう風なところで困っているんですか」「まずヒアリングしてみましょう」といった指導を受けるんです。それで実際にヒアリングに行ってみると、やっぱり思っていた状況とは全然違ったんですよね。口コミを書いてくれる人たちはいたんですが、「製品選びの課題はなんですか」「そのときにこのサイト見ようと思いますか」と尋ねたら、実はみんな中途半端な回答だったんです。

 製品選びって、困っているどころかむしろ結構楽しいから調べていたり、一応口コミは見たりするけれども、これをもとに意思決定をすることはない。参考程度にしかならないといった答えが返ってきました。このまま口コミサイトをやっているのではダメだ。「本当の課題」を探さないといけないと気付きました。Onlabに入って最初の1週間くらいの出来事です。