テレワークで削がれる気合
会社の緊張感が今は恋しい

 最後に紹介する、「家族も仕事も大事だが、特に出世欲はギラギラムンムン。欲しいものは全て手に入れたい」Dさん(39歳男性)はというと、

「仕事は会社でやらなければダメですね、私は。

 自宅仕事だとパフォーマンスがかなり落ちてしまって、『なんだ、これは。俺はこんなものではないはずだ』と首を捻っていたのですが、どうやらそれくらいが自分の本来の仕事の質で、会社などの緊張感があって誰かに見られている場所だと普段以上の力が発揮できるのだと、ごく最近わかりました。

 思えば私の出世欲も『周りからすごいと思われたい』という欲求が出発点になっているので、周りに自分を直接見てもらえる会社で働くのが、性に合っているのかなと。早く出社して仕事がしたいです」(Dさん)

 CさんとDさんはコロナ禍の中で改めて「仕事が好き」と思ったようである。

 テレワークによって自宅で過ごす時間が増えた人たちには、何かしらの点において価値観の変化がもたらされたかもしれない。しかし“仕事への姿勢”に限っていえば、今回取り上げた4人に訪れたものは“変化”ではなく、元から持っていた方向性に改めて気づき、その傾向をより強めるに至るという“再認識”であった。

 今回のコロナ禍をきっかけに導入されたテレワークであるが、事態が終息したあとも企業によっては、引き続き日を限って続けられる公算が大きい。となると働き方や“仕事たるもの”がまた大きく変革していくことになる。

 仕事の本質が変われば、それと向き合う人の姿勢も変わるが、はたして今後はどのようになっていくのであろうか。令和の初めに訪れたこの厄災をなんとかして乗り越えた暁に、じっくり未来を占っていきたいところである。