東京証券取引所
5月28日、「経済活動再開に対する期待はわかるが、上昇スピードが速いことについて理解に苦しむ」──こうした声が聞かれるほど、日本株は理屈抜きの上昇相場になってきた。写真は東京証券取引所で2015年7月撮影(2020年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 28日 ロイター] - 「経済活動再開に対する期待はわかるが、上昇スピードが速いことについて理解に苦しむ」──こうした声が聞かれるほど、日本株は理屈抜きの上昇相場になってきた。その背景には、積み上がった売りポジションが逆回転し、踏み上げの様相を強めるなど需給面の好転がある。

浮動株減少と売り方の買い戻し

 かつての株式市場では、需給の思惑だけをベースに動く個別銘柄が存在した。浮動株の少ない中、上昇を続け、売り方の踏み上げを誘うというのが典型的な動きだ。現在の相場上昇はそれに近いメカニズムがもたらしている。日銀のETF購入、GPIFの長期投資、企業の自社株買いなどで浮動株が減少する一方、裁定売り残の積み上げや先物の売り仕掛けなどで売りポジションが増加し、これらの買い戻しで株価が上昇する、という流れだ。

 市場では「日本株の上昇が加速する中で、売り方は踏み上げざるを得ない。経済活動再開で上がっているが、需給思惑だけで動く説明しにくい上昇となったのも確かだ」(国内証券)との声が聞かれる。

 東京証券取引所が27日に発表した5月18日─5月22日のプログラム売買状況によると、金額ベースの裁定売り残は2兆5707億円まで増加。米中対立による経済減速が懸念された昨年のピークである、9月2日─9月6日の2兆0666億円を大幅に上回る。日銀によるETF買いは年間で12兆円。その2割強という膨大な額が将来的に買い戻されることになるのだ。